大阪大過去問 その一
2017-08-06 21:23:29 テーマ:阪大
こんにちは。
難関校受験 岡野塾の岡野 武 です。
今回は阪大の過去問を観てみましょう。
解答は高校の数学IIIの教科書に書かれています。
解き方は下記の通りです。
x → 0 と sin x が奇関数であることにより、0 < x <π/2 としてよい。
原点Oが中心で半径が1の単位円において、A(1,0), B(cos x, sin x),
C(1, tan x) とする。
三角形OAB、扇形OAB、三角形OACの面積はそれぞれ
sin x/2 < x/2 < tan x/2
であり、各辺を2倍してからsin x(>0)で割り、次に
各辺の逆数を取ると、
cos x < sin x/x < 1
となり、x → +0 とすれば前半の答が得られる。
後半については、sin x についての和績公式(参照:京大過去問 そ
の一)と前半の結果より求まる。
このように解答すれば、この問題に関して満点がもらえます。
ここから先は入試には関係がないのですが、興味があれば読んで
みてください。
sin x/x の極限値を求めるには扇形の面積, すなわち円の面積必要。
そのためには無理関数の定積分が必要。
そのためにはsin x の導関数が必要。
そのためには sin x/x の極限値が必要。
となり、証明したい結果を証明に用いているので証明になっていない。
こういうのを「循環論法」といい、十分に注意する必要があります。
興味をもたれた人のために参考文献を挙げておきます。
高木貞治著「解析概論」 9. 連続的変数に関する極限 [例 2]
一松信著「解析学序説(上巻)」 §4. 三角函数の微分
小松勇作著「解析概論[I]」 §33. 三角函数
次回はまた東大の過去問を観ていきましょう。
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