東大過去問 その二

東大過去問 その二

2017-08-12 12:00:00 テーマ:東大

こんにちは。

 

難関校受験  岡野塾の岡野 武 です。

 

今回は東大の過去問(2回目)を観てみましょう。

 

 

 

円周率の定義と高校の数学IIの三角関数の知識があれば解けます。

 

解き方は下記の通りです。

 

単位円の円周の長さは内接する正十二角形の一辺の長さLの12倍よりも長いから、

 

2π > 12L すなわち π > 6L. 余弦定理を用いて計算すると、

 

L = (√6-√2)/2 だから

 

π > 3(√6-√2) > 3(2.44-1.42) = 3.06 >3.05 。

 

この問題に関連した問題が東大より前に岐阜大で出題されました。

 

内容を要約すると、「円周率πについて、3 < π <  10/3 を示せ。」です。

 

解法は次の(1)または(2)の方法で出来ます。

 

まず単位円Cにおいて、(1)Cに内接する正m角形の一辺の長

 

さのm陪が6以上かつCに外接する正n角形の一辺の長さのn陪

 

が20/3以下であることを示す。

 

(2)Cに内接する正m角形の面積が3以上かつCに外接する正

 

n角形の面積が10/3以下であることを示す。

 

 

次回はまた京大の過去問(2回目)を観ていきましょう。

 

 

 

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大阪大過去問 その一(循環論法) 

大阪大過去問 その一

2017-08-06 21:23:29 テーマ:阪大

こんにちは。

 

難関校受験  岡野塾の岡野 武 です。

 

今回は阪大の過去問を観てみましょう。

 

解答は高校の数学IIIの教科書に書かれています。

 

解き方は下記の通りです。

 

x → 0 と sin x が奇関数であることにより、0 < x <π/2 としてよい。

 

原点Oが中心で半径が1の単位円において、A(1,0), B(cos x, sin x),

C(1, tan x) とする。

 

三角形OAB、扇形OAB、三角形OACの面積はそれぞれ

sin x/2 < x/2 < tan x/2

であり、各辺を2倍してからsin x(>0)で割り、次に

各辺の逆数を取ると、

cos x < sin x/x < 1

となり、x → +0 とすれば前半の答が得られる。

後半については、sin x についての和績公式(参照:京大過去問 そ

 

の一)と前半の結果より求まる。

このように解答すれば、この問題に関して満点がもらえます。

 

ここから先は入試には関係がないのですが、興味があれば読んで

 

 

ください。

 

 

sin x/x の極限値を求めるには扇形の面積, すなわち円の面積必要。

 

そのためには無理関数の定積分が必要。

 

そのためにはsin x の導関数が必要。

 

そのためには sin x/x の極限値が必要。

 

となり、証明したい結果を証明に用いているので証明になっていない。

 

こういうのを「循環論法」といい、十分に注意する必要があります。

 

 

 

 

興味をもたれた人のために参考文献を挙げておきます。

 

高木貞治著「解析概論」 9. 連続的変数に関する極限 [例 2]

 

一松信著「解析学序説(上巻)」 §4. 三角函数の微分

 

小松勇作著「解析概論[I]」 §33. 三角函数

 

 

次回はまた東大の過去問を観ていきましょう。

 

 

 

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